『経緯』61 パニック障害と、フリマ初出店。
2012/07/10 Tue. 18:16 [edit]
2010年、4月中旬。
隣の隣の町で年2回開催される、結構大きなフリーマーケット。
それに俺は初めて参加した。
フリマに店を出すのは初めてのことだった。
売る品物は自分で描いたイラスト だ。
この日のために、『ごまちゃん』の広告制作中も、
同時進行でせっせとつくってきた。
さかのぼること2ヶ月。
地域紙を読んでいて、
たまたま「フリマ出店者、募集!」の広告を目にした。
草野球チーム「レジスタンス」のマネージャーが、
フラワーアレンジメントやら手芸やら、いろいろチャレンジする人で、
「自分でつくったものをフリマで売ってみたい」
と、たまに言っていたのを思い出した。
俺としても、出店の理由はあった。
俺は、自分の作品を道端に堂々と並べて売ってる人に、
昔から少しあこがれていた。
小心者の俺にはできなかった。
それとは少し違うけど、
今回のようなフリマでも、少しはあの人たちの真似ができる気がした。
だから、問い合わせの電話をかけた。
パニック障害を長く患い、自信をまだまだ取り戻せていない俺にとって、
そういうイベントに参加すること・・・
いや、なんて言うか、
何かに対して、“自ら、積極的に”なることは、
それなりに勇気のいる一歩だった。
俺としては、小さな挑戦だった。
応募数がかなり多いらしく抽選になると聞き、
クジ運がない俺としては半分あきらめていた。
しかし、忘れた頃に「当選」の手紙を郵便受けにみつけ、
俺は驚き、興奮した。
当日。
朝、マネージャーの車で会場入り。
本部で手続きを済ませ、指定の場所に店をセッティング。
青空の下、写真立てに入れた俺のイラストが並んだ。
4月にしては日差しの強い、必要以上に晴れわたった一日だった。
開始の時間になった。
しょっぱなから、想像以上に結構なにぎわいを見せていた。
だけど、もちろん、俺たちの店にはまだ誰も来ない。
正直、俺は、自分の作品なんてひとつも売れないと思っていた。
それでも、
「なんとか、ひとつふたつ売れてくれないかな・・・・」
と、淡い期待も抱いていた。
開始から4、50分経った頃、
ひとりの小さな女の子 が立ち止まり、
しゃがみこむと、
俺のイラストを片っ端から手にとって眺めだした。
・・・・・!!!
俺はその様子を、店頭に座るマネージャーの後ろから
祈るように見守った。
買って・・・!!!
(つづく。)
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category: PD発病からの『経緯』。
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