出会いと絆
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『パニック障害』体験記 ~それでも空はひろがっていて、雲は流れていく~

パニック症(PD=panic disorder 、旧名「パニック障害」)という病気を知っていますか? それは、俺にとって 「 恩師 」 です。だから俺は “ 完治 ” なんかより、ずっと先まで歩くつもりです。

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歩くホームレス。 


先日、「夢」がどうこうって話をブログに書いていて
思い出した人がいる。

“その人”から聞いた「夢」の話は、
俺が今までに人から聞いた夢の話の中で、最も印象深い。







2005年、夏。

本州一周バイク旅の途中、富山県の宇奈月町でその人と出会った。



その日は、なんとなく走る気がしなくて、
午後3時くらいには野宿する場所を早々に決めてバイクを停め、
ベンチでのんびり読書をしていた。


すると、

「読書とは優雅だねぇ。」

と誰かが声をかけてきた。





声がした方向に目を向けると、

明らかに“ホームレス”なおっさんが、
「自分の身長の5分の4くらいはあるんじゃねえかっ?!」
っていうぐらい、バカ長くてバカでかい荷物を背負って立っていた。

「近くに酒売ってるとこない?」
と間髪入れず聞いてきたので、
ここに来る途中、たまたま見かけた酒屋を教えた。

聞くと、すぐに行ってしまった。










日も暮れたので、近くの店でカレー食ってテントを張る場所に戻ると、
さっきの“ホームレス”なおっさんが
ベンチでビールを飲んでいた。


「酒屋、すぐみつかりましたか?」とか、
一応、軽くあいさつしたかもしれない。

きっかけは覚えてないけど、
このおっさんとがっつり話し始めていた。



「どっから来た?」
「○○県の××市です。」

これは旅の途中、人に話しかけられると必ず聞かれる。
本当は△△市なんだけど、誰も知らないので
全国的に少しは知名度がある、隣の“××市”といつも答えていた。


「××市のどのあたり?」

「え・・?」
そこ、つっこんでくるのかよ?!

「だから、××市のどのあたり?」

しつこいから、
「いや・・ほんとは××市の隣の△△市というところなんです。」
と答えた。


すると意外な反応が返ってきた。

「おーー、△△市か!最初から言えよ。なんでウソつくんだよ。」


おいおい、ウソって・・。
いやいや、そんなことより、

「△△市を知ってるんですか?!」

「知ってるよ。・・で、△△市のどのあたりよ?」

またそんな無茶な質問を・・・・。

「・・・市役所の近くです。」
半分、なげやりに答えてみた。



「おーー!あれだろ?
 近くに学校があって、交差点のとこに、でかいガラスばりの建物があって・・」


「それ、図書館です!」

「そうか。その建物の向かいにセブンイレブンあったな。」

「最近つぶれて学習塾になりました!!」





アンビリーバボー!!信じられない!!

こんな遠く離れた土地で、まさかの地元トーク!!

「学校の隣にでかい公園あるだろ。何年か前に、そこで寝たんだ。」


その後、
俺ん家までの道を説明したら、当然のように理解してた。












聞くと△△市では印象深いできごとがあったらしい。
でも、だから覚えているというわけではなさそうだった。


そのおっさんは、
普通のホームレスではなく、“歩くホームレス”だった。

出身は高知県で、
長い間、日本中を気の向くまま、歩き続けているらしい。
ほとんど同じ場所にとどまることなく。

間違いなく五十は過ぎてるおっさんなのに。
あんなクソ重そうなバカでかい荷物背負って。




年中、歩いてるだけだからなのか、異常に地理とか道とか覚えてた。
もう、ほんと異常に日本中の地理を知ってる。

ずっと、これまでの旅の話をしてくれたんだけど、
みんなが当然知ってる前提で、
「□□町のさ、国道◇◇線を行ってさ、
 ガソリンスタンドがある交差点あるだろ。そこをさ・・」


知るかっ!・・と思いながらあいづち打って聞いてた(笑)。





でも、おっさんの話はほんと面白かった。
恋の話までしてくれた。

・・・・金はどうしてるのか、という永遠の謎は残ったけど。











「ほとんど人と話さないんだけど・・・
 若いやつなんかホント苦手で・・・・
 でも、おまえとは話してみたくなったんだよな・・・・・。」


そう言ってくれた。


ビールで気持ちよくなってたせいもあるだろう。
俺は、自分で言うのもなんだが、きっと話しかけづらい人だ。
職場でも、なかなかなじめない。

なぜ、俺に話してみたくなったのかはわからないけど、
おかげで楽しい夜になった。






「俺さ、
日本の全市町村で野宿するのが夢なんだ。」



おっさんは、その夢に向かって
北から順番に・・とか、そういう歩き方をしていない。

寒くなったら、とりあえず南のほうへ、
暖かい時期は、行きたいところへ。

ほんと、気の向くまま、
あっち行ったりこっち行ったり、テキトーに歩いているようだった。



でも、一度野宿した市町村名は、
古びた黒い手帳にしっかりメモしてあって
「夢の達成」まであといくつの市町村で野宿しなくてはならないか、
ちゃんと把握しているようだった。

「ここ数年さ、合併が進んで市町村の数がものすごく減っただろ。
 だからさ、いけるんじゃねぇかって気がしてきたんだよな!」


目をキラっキラっさせて、
ものすごく楽しそうに話してたのが忘れられない。








「じゃそろそろ。俺、朝早いからさ。」

そう言って、自分のテントに帰って行った。

俺も寝る準備を始めて、公衆トイレに歯をみがきに行くと、
おっさんがパンツ一丁で、タオルをぬらして全身をふいていた。
正直、臭った。



俺が歯をみがき終わって行こうとすると、
「俺みたいなバカにはなるなよ。」
と言った。

「俺もおじさんみたいな立派な旅人になりたいです。」
と答えた。

「俺みたいなバカになったらダメなんだって・・」
おっさんは困っていた。
















次の日の朝。


目が覚めるとおっさんはいなかった。
すこし、寂しかった。


昨夜のことを思い出して、
ああいう人生もアリだな・・・と少し思った。













・・・おっさん、今どこを歩いているんだろう。

あなたの街にいるかもね(笑)。















<23>
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